柔らかくてジューシーな肉料理が作れると、今話題の低温調理法。低温調理器具を買おうか迷っている主婦の方も多いのではないでしょうか。
そもそも低温できちんと火が通るのか、初めての方は不安を抱き、殺菌不足で食中毒にならないのか心配になりませんか?
今回は、安全に低温調理するための注意点や低温調理ゆえの衛生面!そして、懸念される食中毒に関してまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。
低温調理で食中毒に気を付けるポイント
低温調理で気になるのが、『何度で何分加熱すれば殺菌できるの!』具体的に理解しなければなりませんね。厚生労働省は加熱の食品の製造基準を次のように定めています。
【加熱食肉製品の製造基準】
材料はその中心部の温度を『 63℃で30分間加熱する方法』又はこれと同等以上の効力を有する方法(魚肉を含む製品であって気密性のある容器包装に充てんした後殺菌するものにあっては、その中心部の温度を 『80℃で20分間加熱する方法』又はこれと同等以上の効力を有する方法)により殺菌しなければならない。
引用:厚生労働省「食肉製品の規格基準」
ここで注意すべきは、食材の一番温度の低い中心部が『63℃に達してから30分加熱』することで食中毒となる細菌類を死滅させるという意味です。
『63℃30分』同等の過熱温度と時間
加熱基準にもあります『63℃30分』同等の過熱温度と時間は細かく基準が設けられていて、最もわかりやすい加熱温度と時間は次のようになります。
【同等の過熱温度と時間】
- 55℃/5時間
- 63℃/30分
- 71℃/3分
- 75℃/57秒
食材によっても最適な加熱温度と時間があります。調理する際は、低温調理器具に記載されているマニュアルを確認し、食中毒をおこさないよう注意が必要です。
注意するポイント
では、低温調理をする際にはいくつかの注意点とは、加熱温度を正しく理解していなければ食中毒の危険性が増します。そこで、安全で美味しく低温調理ができる8つのポイントを次にまとめてみました。
食中毒に注意する8つポイント
- 手指の手洗いと消毒を行う。
- こまめに消毒した、まな板・包丁・保存用ビニール袋など清潔な道具を使う。
- 新鮮な食材を使う。
- 食材を汚染させない。
- 食肉の場合や魚肉の場合それぞれの低温調理をする加熱時間基準表の設定を守る『63℃/30分』。
- マニュアルを無視しないで正しい方法で加熱を行う。
- 調理後はすぐに食べる。(調理後90分以内で食べる)
- 食材を保存する場合は急冷する。(5℃以下で保存)
必ず、このポイントを守り、安心で安全な低温調理器具を使ったジューシーで美味しいお料理を作ってみましょう。
低温調理のメリットとデメリット
低温調理とは、美味しい食材を低温でじっくり時間をかけて調理する方法です。食材のうま味を十分に引き出してくれる手法ですが、そんな調理方にもメリットとデメリットがあります。
低温調理のメリット
素材のうま味を壊さずさらにアップしてくれるのは、低温調理のメリットと言えるでしょうね。強い加熱により起こる素材の『収縮・抑制・脱水・凝固』を防いでくれます。
そして、しっとりと柔らかな仕上がりになるのが、この低温調理の魅力で、最大のメリットといえます。
通常の調理では、食材の中心部まで温度を上げるためには外側を高温で焼くことになり外側は固くうま味や栄養分を逃がしてしまうことです。
でも、低温調理では、外側も内側とおなじような状態に仕上げることができます。
低温調理のデメリット
低温で調理するうえで、細菌や微生物が完全に死滅しているかです。殺菌できる加熱温度と加熱時間をきっちり守らなければ、食中毒のリスクは高いですよ。
それに加え、加熱時間が長く、調理に時間がかかるというデメリットがあります。ご家庭にある調理具でも低温調理はできますが、不安定な要素がたくさん含まれ安全性に欠けます。
安全面を考えて、低温調理をするのであれば『低温調理器具』を購入することをおすすめします。その費用もデメリットです。
低温調理は、真空状態で調理するので、うま味を逃がすことはないですが、臭みも逃がさないのですよ。なので、鮮度のいい食材や、しっかり下処理することが必要です。
まとめ
低温調理で注意しなければならないのは、加熱温度と加熱時間です。『63℃/30分』を基準に、その同等以上の効力を有する方法と定められています。加熱温度と時間は絶対に守らなければなりません。
調理方法で注意すべきは、食材の一番温度の低い中心部が基準の温度に達してから加熱処理が始まることです。温度が63℃に達したから30分加熱したでは、食中毒のリスクは増すばかりです。
一般家庭の調理具では、食中毒のリスクが高いので、専用の低温調理器具を使うことをおすすめします。そして、マニュアルをしっかり守ることが大切です。
低温調理は、しっとりうま味を逃がさないことがメリットですが、同時に臭みを逃がさないというデメリットもあります。食材は鮮度の良いものを使い、下処置もしっかりしなければならないのです。
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