筆者の自宅そばには病院があります。
一年中救急車の音は聞こえるものの、暑い季節になると、その回数が増します。
理由は、熱中症・脱水症・熱射病で運ばれる人が急増するため。
水分補給していますか?
「水、飲んでいるよ!」
「お茶をこまめに飲むようにしているから大丈夫。」
実はそれ、大丈夫じゃないんです。
水やお茶では十分な水分補給とは言えません。
お茶を飲んでいても、水を飲んでいても、もしかしたら脱水症になってしまうかも?!
今回は正しい水分補給についてご紹介していきます。
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大切な水分補給!やっぱり水がいい?
上記にもありますが、水やお茶では不十分です。
まず、私たちの体内にある水分は「水」ではありません。
約0.9パーセント食塩水と同じ浸透圧をもつ「血液」などの体液。
自分から出た汗が口に入るとしょっぱいですよね?
汗も体液です。
そして、やはりナトリウムが含まれています。
汗をかくと、身体の中のナトリウムも失われていきます。
その状態で水だけを飲むと、どうなるか。
①汗によって、身体の中の「ナトリウム」が減る
↓
②身体の中、全体のナトリウム濃度が薄まる。
↓
③水だけを摂取すると、これ以上ナトリウム濃度を薄めないように、身体が水分を取ろうとする気持ちを抑える。
↓
④③と同時に余分な水分を尿として排出してしまう。
↓
⑤自発的脱水症。
水だけを飲んでも、ナトリウムが薄まるのを嫌がった身体が尿として排出してしまうため、身体にはあまり吸収されていないんですね。
「尿が出ているから大丈夫!」
と、思っていても、実は、全然大丈夫じゃないんです。
そして、なぜお茶もなぜよくないのか。
お茶には利尿作用があります。
お茶を飲むことによって。さらに尿意が増してしまい、身体の水分は失われていきます。
ちなみに、お酒も利尿作用があるので水分補給にはなりません。
では!正しい水分補給とはどうすればいいのか。
イオン飲料や経口補水液を飲みましょう。
「そんな甘いもの毎日買わない。」
「家にはない。」という方。
手軽に作れます。
1リットルの水にティースプーン半分(2グラム)の塩を入れ、角砂糖を自分の好みで数個入れましょう。
入れすぎは注意です。
甘すぎるのが好きでない方も、これなら調節できますね。
砂糖を入れる理由は、糖分によって腸から水分が吸収されるのを促進してくれるんです。
ぜひ作って見てください。
ちなみに。
1日で2.5ℓもの水分が私たちの身体から出ていってしまっています。
このことを考慮して、1日に必要な水分摂取量は体重1kgで40㎖を基準とするようになっているんですね。
つまり50kgの人は1日に2ℓの水分を取るといいとされています。
2ℓ。
大きなペットボトル1本分・・・。
「そんな取れないよ!」
となりますよね。
筆者も一時期水分2ℓを意識して飲んだことがありますが、お腹がチャプチャプになりました。
一度に摂取するのでは無く、コップ1杯を一日に数回に分けて飲むようにしてくださいね。
そして、「水分だけでとる」のではなく、食事の献立に水分の多い、スープを毎日いれる。ゼリーや水分がたっぷり含まれる果物を取るなどと、併用して2Lを摂取できるように、意識していくといいですよ。
体内での水分の役割
私たちの身体の何割が水分か知っていますか?
子ども→約7割
成人→約6割
高齢者→約5割です。
半分以上が水分で出来ているんですね。
水分といっても、血液・リンパ液など、様々なものに別れて存在しています。
その水分が失われてしまうことによって、血液やリンパ液などが足りなくなります。
血液は体全体に酸素や栄養素を送る役割をしているんですが、その酸素が行き渡らないとどういうことになるか。
各機能が正常に働かなくなります。
これがいわゆる、「脱水症」です。
「水分が身体から無くなる。」ということは、思っている以上に重大なことなんです。
脱水症は夏だけでなく、一年中起こりうる可能性があるのですが、やはり圧倒的に、暑い時期が多いです。
令和2年6月~9月の間に都内では200人もの人が熱中症によって死亡しました。
その中でダントツに多いのは「高齢者」。
何故高齢者の方が脱水症状になりやすいのか。
- 体内の水分量が減っている
高齢者は、脂肪の割合が増え、筋肉量が低下していきます。
筋肉は、体液を蓄積できるのですが、脂肪はそれができません。
脂肪が増えるということは、熱中症になりやすくなっているということなんです。
- 内臓の働きの低下
加齢とともに内臓の働きが低下することによって、効率よく水分を吸収することができなくなったり、体内の塩分や水分の調整機能が低下したりします。
- のどの渇きに気づきにくい
感覚機能の低下によって、のどの渇きに気づきにくくなります。
また、飲み物を飲んだかどうかを忘れてしまうことで、水分を摂取しないまま長時間がすぎ、体調が悪くなってしまいます。
- トイレの心配で、あえて水分量を減らしてしまっている
トイレの失敗や頻尿などを恐れて、あえて水分をとらないようにしてしまいます。
結果脱水症に陥ってしまうということがあります。
以上のような原因が考えられます。
しかし、高齢者の方が死亡割合としては多いですが、令和2年の熱中症による搬送人数は、
全国で64869人(6月~9月)。
そのなかで、高齢者の次に割合として多いのは成人した大人です。
私達も、決して他人事ではありません。
水分が身体からなくなるということは、とても恐ろしいことなんですね。
まとめ
年々、夏の異常気象で最高気温がどんどん上がっています。
それにともない、熱中症による搬送人数も増加しています。
水分補給は、こまめに。
水だけでなく、経口補水液やイオン飲料を上手に使って、体内の水分量が減らないよう意識しましょう。
いかがでしたか?
身体から、水分がなくなるということは、「死」にもつながる、恐ろしいこと。
そうならないための手段として、正しい水分補給を身につけ、暑い夏を元気に乗り切りましょう。
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