衝撃のニュースが目に入りました。
石油連盟の会長である杉森務さんの発言によると「ハイオクはレギュラーと同じ汎用品。品質はほぼおなじ」ということなんですね。
これを聞くと、レギュラー=ハイオクのように聞こえますが、ちょっと違います。
今までの認識としては
レギュラーは、どこでも同じ品質 (統一された規定があります)
ハイオクは、各会社によって品質・値段ともに違うもの
という認識だったのですが、今回の会長の発言で
「ハイオクもレギュラーと一緒で、どこでも同じものなんですよ。」
となったわけです。
レギュラーはだいたい値段が同じくらいだったのに対して、ハイオクは「各社で値段や品質が違う」と謳っていたために
「え?!!一緒?じゃぁ、あの値段の違いは何だったの?!」
と色んな人がびっくりしてしまいました。
いったい何が違ったのか。
そもそも最初から同じだったのか?
今回はとても身近な、車のガソリンについてご紹介していきます。
ガソリンの違い
車の給油でガソリンスタンドを訪れると
①ハイオク
②レギュラー
③軽油
の選択肢がありますね。
③は今はあまり見かけないディーゼル車用の重油です。
少し掘り下げて説明すると、①から③全てが原油からできています。
原油は、まず製油所に送られ加熱されるのですが、ここで油の蒸気(石油蒸気)が発生します。その石油蒸気の沸点が低い順に
ガソリン→灯油・ジェット燃料→軽油→重油・アスファルトと生成されるんですね。
あれ・・・?
じゃぁハイオクとガソリンの違いは?となりますよね。
筆者は「①の方がなんか高い・・・?」と言う点しか違いが分かりませんでした。
ハイオク・・・車のノッキングを防ぐための添加物や洗剤が入っているため、エンジンが汚れにくい。
ノッキングを防ぐため、スムーズな加速や安定した走行ができる。
一方で金銭的負担が大きい。
オクタン価が96以上のもの。
オクタン価が高い⇒「ハイオク」という語源です。
レギュラー・・・洗浄剤が含まれていない分エンジンが汚れる。
そのため定期的なエンジンオイルの交換などが必要になってくる。
オクタン価が89以上のもの。
※ノッキング・・・カタカタ、ガラガラ等の音がしたり、車が揺れたりすることです。
エンジンの異常爆発が原因ですが、日本の車ではほとんどなく、またオートマ車ではあまり体験しません。
ディーゼル車やマニュアル車などで時々体験する程度です。
※オクタン価・・・ガソリンの成分。
これが高い方が、ノッキングを起こしにくいとされています。
各社で品質や値段が違うと言っているのは、このノッキングを抑えるための、洗浄剤の割合や品質がちがうからということなんですね。
ハイオクは全部おなじだったという衝撃
上記のようなことがあるため、車にこだわる人やエンジンを長持ちさせたいと気をつけている人は
「ここの会社のハイオクがいい。」
「ちょっと値段が高くても仕方ない」
とガソリンにこだわりをもって購入していました。
しかし、今回の「全部同じですよ」発言。
今まで払ったお金はなんだったんだー!!!
となりますよね。
なぜこうなってしまったのか。
理由は、物流コストを下げるために、元売り会社が同じ貯蔵タンクを共同利用していたり、同じタンクローリーが各給油所にガソリンを届けていたりするからです。
別々のものを作ったとしても、同じ入れ物に入れて、同じ入れ物で運んだら、混ざるのは当たり前のことです・・・。
石油の元売り5社はオリジナルブランドとしてハイオクを販売していました。
例えば、出光昭和シェルは「出光スーパーゼアス」、エネオスは、「ENEOSハイオクガソリン」など各団体ごとで性能も名前も変えており、業界団体も「各社が独自開発した」ということで消費者に説明していたのですが・・・。
ガソリンスタンドに来る前の段階で混合してしまっていたんですね。
それもなんと20年ほど前から・・・。
今後のハイオクはどうなるの?
このハイオクがみんな同じという衝撃ニュースは、6月27日に毎日新聞で取り上げられました。
その後、7月17日に石油連盟の会長である杉森務氏が「ハイオクはレギュラーガソリンと同じ汎用性。品質に差はない」と発言し、再び衝撃が走りました。
現在、石油の元売り5社のコメントや説明がまだ出ていないません。
そのため、今後ハイオクガソリンの表記や価格がどうなるかは、わからない状態です。
まとめ
「こだわり」「他者と違う」とアピールしていたものが、同じものだったなんて・・・衝撃ですね。
騙された気がしてちょっと悔しい気持ちになります。
しかし、同じものでも「ハイオク」であることには変わりありません。
レギュラーよりもいいものを使っていたということで自分を納得させるしかないのかな・・・と、言った感じですね。
元売りの5社はまだコメントなどは出していません。
今後、石油の元売り5社がどう言った説明をするのか、注目です。