夏になると何かと気になるのが「食中毒」。
つい最近も学校給食に出た海藻が原因で集団食中毒が発生してしまいました。
話題になるのは夏。
しかし、食中毒の危険は一年中あるんです。
今回は食中毒について詳しく紹介していきます。
最近の集団食中毒の原因となったO7ってなに?!
今回の集団食中毒で原因菌となったのは「O7」。
「あれ?O-157の書き間違え?O7ってなに?」となりますよね。
O-157は多くの人が何となく聞いたことのある原因菌です。
しかし、それ以外にもたくさんの菌が存在しています。
「O7」はサルモネラ菌の1種。
今回の食中毒の原因は、乾燥した海藻を給食で出す際、前日に水で戻し、そのまま放置してしまいました。
翌日、加熱をせずに子どもたちに提供してしまったことで起きた集団食中毒でした。
食中毒の種類
食中毒は、色々な原因によって発生します。
①ウイルスによるもの
②細菌によるもの
③自然毒によるもの
④化学物質によるもの
⑤寄生虫によるもの
と、沢山あります。
この中でよく聞くのは細菌・ウイルスだと思います。
細菌の違いとウイルスの違いは以下の通りです。
細菌・・・生きた細胞がなくても、水と栄養があればどこでも増殖できる。
ウイルス・・・生きた細胞がないと増殖できない。生きた細胞に寄生することで増殖する。これを「感染」という。
つまり、調理された食べ物からの食中毒は、細菌性の物がほとんどということです。
ウイルス性のものは、ノロウイルスくらいです。
そして、その細菌性のものは、さらに2つに分けられます。
感染型・・・お腹のなかで菌が増殖→発症
【サルモネラ・カンピロバクター・病原性大腸菌・腸炎ビブリオなど】
毒素型・・・お腹の中で菌が増殖→毒素排出→発症
【セレウス菌・腸管出血性大腸菌など】
※食品の中で起きるものは食品内毒素型と呼ばれ以下のものが有名です。
【ボツリヌス菌・黄色ブドウ球菌・セレウス菌など】
食中毒の症状別、対策法をご紹介
今回は代表的なものをいくつか紹介していきますね。
・腸炎ビブリオ・・・魚介類に多い。さしみや寿司など。
下痢、腹痛、発熱などが症状として現れる。
※予防⇒魚介類は新鮮なものでも水でしっかり洗いましょう。
短時間でも必ず冷蔵庫に入れ、まな板や包丁などを使用した場合はしっかり洗って消毒してください。
・サルモネラ菌・・・鶏卵、鶏肉、牛肉のレバーに多い。
激しい腹痛や下痢、嘔吐、発熱などの症状が出る。
※予防⇒卵や鶏肉は十分加熱してください。
また、保存は冷蔵庫で、生卵を食べる時は新鮮なものを。
鶏肉などを切ったり入れたりしたものはしっかり洗ってください。
・カンピロバクター・・・生肉(特に鶏肉)、よく洗っていない生野菜。
発熱、倦怠感、下痢、血便、吐き気など。
※予防⇒食肉は十分加熱してくださいね。
調理に使用したものは熱湯消毒などをして、乾燥させることが重要です。(カンピロバクターは乾燥に弱い。)
・黄色ブドウ球菌・・・乳製品やハム、練り物などの加工品。
おにぎり、調理パンなど。
吐き気、嘔吐、腹痛、下痢。
人や動物に常在し、普段からある身近な菌なのですが、増殖してしまうと、その毒素によって食中毒をおこします。
※予防⇒手が荒れていたり、傷があったりする人は、直接食べ物に触らないようにしてください。
また、増殖させないために、低温保存が大切です。
・セレウス菌・・・穀類(ご飯や麺類)、肉や野菜、スープなど。
嘔吐、吐き気、下痢、腹痛。(嘔吐型と下痢型に別れる)
自然界に多く存在する、毒素型の細菌です。なんと、消毒も熱消毒も無効なんです。
※予防⇒ご飯や麺類の料理の作り置きをしない。
できるかぎり保存期間を短くしましょう。
作ったあとは冷蔵庫に入れて保存してください。
常温放置は危険です。
食中毒にかかってしまったかも・・・。受診の目安は?
下痢や嘔吐が続く・・・。もしかしたら・・・。
と、万が一食中毒にかかってしまったかもしれないと思った時は、
・1日10回以上嘔吐、下痢が続く。
・激しい下痢が続く、水分が取れない。
・高熱があり、ぐったりしている。
・意識が朦朧としている。
・便に血が混じる。
などの症状がある場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。
これ以外の症状でも、自分がこれはまずいぞ・・・。
とおもったら、とりあえず医療機関に連絡して、相談しましょう。
下痢や嘔吐が続くと、知らないうちに脱水症状になってしまうことがあります。
実は、脱水症状は命を落とす危険もあるくらい危険なものなんですよ。
「これくらい大丈夫。じきに収まる」と甘く見ていると大変なことになりかねません。
まとめ
昔は主に夏=食中毒でした。
しかし、近年、ノロウイルスやなどが原因菌の食中毒が夏以外の季節にも発生するようになりました。
結果、一年中食中毒の危険がつきまとうことになってしまいました。
食中毒の症状は数時間で現れる場合もあれば、菌によっては、2・3日、もしくはそれ以上経過してから発症する時もあります。
そうなると、自分でもなかなか原因が見つからず、苦しい時間が長引いてしまうことも。
自分自身や身の回りの人を守るためにも、菌がどういう原因で増殖・付着してしまうのかを知り、消毒や加熱、冷蔵庫での保存などをしっかり行っていきましょう。