近年、新たな観光地として人気があるのが『オープンファクトリー』です。
『Open Factry』を直訳すると『工場を開く』という意味ですが、
工場を開放して、来場者(一般の参加者)に実際の現場を見学してもらうことです。
今回は、そんなオープンファクトリーの魅力や、どのようなメリットがあるのかなどを含め
詳しくご紹介します。
オープンファクトリーとは
オープンファクトリーとは、中小企業が集まり活動をはじめ、
参加者にライブで工場のモノを作っている現場を公開し体験してもらう取り組みです。
普段は見ることができない工場内部(仕事場)を一般公開し、
お客様と交流することで、自社製品が出来るまでの工程や、
仕事に対する生の声が聴け、参加者にとっては新たな発見を見出すことができます。
参加者にとってモノづくりの現場は魅力的で、ある意味『エンターテインメント』
の世界でもあります。
『オープンファクトリー』は、中小企業と一般の方と良好な関係を築き、
モノづくりの価値を知ることができます。
そして、地域コミュニティづくりに貢献することに繋がります。
オープンファクトリーのタイプ
オープンファクトリーには2つのタイプがあり『フリー見学型とツアー訪問型』です。
それぞれのタイプを詳しくご紹介します。
フリー見学型
参加者が自分のペースで自由に見学できるオープンファクトリーです。
開催期間中は工場を一定の時間オープンさせてくれ、徒歩圏内を中心に、
地域に点在する工場やショップ巡りなどできます。
参加企業が広範囲な場合は、公共交通機関や自家用車での移動が必要な地域もあります。
開催期間中に臨時バスを運行するなど、参加者がアクセスしやすい工夫なども含め、
どの工場がいつオープンしているのかといったタイムスケジュールや、
工場の場所がどこなのかなどアクセスマップが重要になります。
事前に公式サイトなどで調べておくと良いでしょう。
参加者に実際の製作を体験してもらうワークショップなどを企画されるので楽しみが倍増します。
ツアー訪問型
主催者側でテーマに沿ったコースを決め、参加者を事前に募集し、
ガイドの案内に従って実施するオープンファクトリーです。
工場のことだけでなく、地域の歴史や名物を知ってもらう街歩き的な要素も含まれています。
開催場所が遠い場所や公共交通機関が使いにくい場合、
地域外なので自動車が使いにくい場合などには、観光バスによるツアーも実施されます。
広く一般から参加者を募集する場合が多いですが、プロフェッショナル限定、
学生限定など、対象者を絞ってより確実なビジネスマッチングを狙う場合もあります。
皆さんの参加目的や日時にあわせてご自由に選んでフリー見学かツアー見学かを決めて
オープンファクトリーを楽しんでください。
オープンファクトリーのメリット
オープンファクトリーは、参加者(一般のお客様)、参加企業、地域にとって
それぞれにメリットがあります。
それぞれのメリットについて詳しく説明します。
参加者にとってのメリットは5つ
参加者にとってのオープンファクトリーは、新たな観光地であり、
普通では見られない工場は、参加者にとってエンターテイメントの舞台でもあります。
参加者にとってのメリットを上げると5つあります。
- 開催場所は新たな観光地として家族旅行になる
- ライブ感覚で見られる製造工場はまさしくエンターテイメントそのものである
- 町工場の『こだわりと凄さ』モノづくりへの理解が高まる
- 現場の職人との会話でモノづくりの真髄を知ることができる(参加者にとって新たな発見を知る)
- ワークショップで『モノづくり体験やお土産』
地域の歴史や背景を知る新たな発見や、モノづくりの現場で、
職人の技をライブで見るこができるのは、まるで舞台を見ているようで
楽しくワクワクする自分を感じます。
また、ワークショップに参加することで、モノづくりの『こだわり・凄さ・魅力』など、
貴重な体験をすることができ、
同じ関心を持つ人達との出会いも得られます。
参加企業や地域にとってのメリット
近年、職人の減少や後継者問題、近隣住民への『騒音・振動・ホコリ』問題など、
いくつもの課題が重なり職人によるモノづくり産業が衰退してきていと言われています。
その課題の取り組みとしてのオープンファクトリーには8つのメリットが考えられます。
- 自社ブランドの価値が多くの方に評価されることが喜ばしい
- 本来の製造卸だけでなく販売(小売り)などへの多角化のきっかけ作りになり、技術を活かした新しい商品の開発と販売が可能になる
- 一般の方に伝えることが社員教育に繋がり、より良い製品づくりに反映される
- 職人の『技・こだわり・凄さ』や地域の魅力を伝えることができる
- 地域全体の結びつきを強めることができ、地域と企業の活性につながる
- 新たな観光地としての関心を持ってもらえる
- モノづくりファンの獲得
- 『業種・職種・年齢』を超えた地域のコミュニティに
このように、オープンファクトリーを通じ、参加企業と参加者や地域住民との関係性を
より良好に築くことや、モノづくりの魅力を知ってもらうことで、
後継者問題や社員不足への解決策につながると期待されています。
今までのBtoB(企業間取引)運営からBtoC(一般消費者向け)が加わる多角化経営が
実現する取り組みがオープンファクトリーと言えます。
2023年度オープンファクトリー関東・関西での開催状況
出典:【こーばへ行こう!2022】ダイジェスト映像
参考までに、2022年関東と関西で開催された10ヵ所のオープンファクトリー開催場所を
ご紹介します。
【関東】(外部サイトに飛びます)
デジタル技術を活用したリモート型への取り組みにチャレンジ。
- 東京都台東区『モノマチ』(2023年5月開催予定)
開催エリアを歩きながら『町・モノづくり』の魅力に触れる。
- 東京都墨田区『スミファ』
町工場の職人の技術に触れモノが作られていく現場を肌で感じることができます。
- 東京都葛飾区『かつしかライブファクトリー』
見て遊んで学べるイベントです。
- 神奈川県川崎市『オープンファクトリー』
地域の優れた技術が身近に体験できます。
【関西】(外部サイトに飛びます)
- 京都府京都市『DESIGN WEEK KYOTO』
未来につなげる京都の多様なモノづくりに触れ体験できます。
- 大阪府堺市『てぬぐいフェス』
脇役のてぬぐいが主役!!てぬぐい産地の挑戦です。
- 大阪府八尾市ほか『FactorISM』
モノづくりにかかわる人たちの文化祭、新たなワクワクが参加者を魅了します。
- 大阪府東大阪市『こ~ばへ行こう』
めったに見られない工場を存分に楽しむことができるイベントです。
- 兵庫県丹波篠山市『CRAFT&ARTS』
丹波篠山の伝統と文化を身近に触れ歴史ある丹波の魅力を感じる事ができます。
今後の開催予定は、公式サイトで公開されると思いますので、昨年度の開催状況を
チェックし公開をお待ちください。
まとめ
近年、中小企業(町工場)は近隣住民への騒音・振動・ホコリなどの問題や
モノづくり産業の衰退などいくつもの課題を抱えています。
こうした課題に対し、日本の職人技による『モノづくりのこだわりや凄さ』を
理解してもらうために開催するのが『オープンファクトリー』です。
オープンファクトリーを通じて、地域のモノづくり企業の魅力や凄さをライブで
体験することで、新たな知的好奇心が刺激されます。
ぜひ、オープンファクトリーに参加してみてはいかがでしょう。