令和4年の干支(えと)は、十二支でいう3番名の『寅年』となります。
でも、令和4年の干支は『壬寅(みずのえとら)』と書くのをご存じですか?
さらに、動物でいう『虎』とは書かず『寅』書くのはなぜか!?
いろいろ疑問に思うところがありまね。
そこで、今回は、令和4年の干支『寅年』にまつわる由来やその特徴について紹介していきます。
『寅年』の由来と『壬寅』と書く理由とは!?
干支といえば『子・丑・寅・卯・・・午・未・戌・亥』と数え全部で12種類あることから
12支というわけですね。
この順番を決めたのが、神さまが動物たちに競争をさせたという言い伝えが
古くからあります。本来は動物ではなく、紀元前の頃中国が日付を表すために
使われていたものが由来です。
のちに年月や時刻、方角を示すためにも用いられるようになり、
例えば時代劇などで時間を表す『寅の刻』は午前4時前後(午前3時~5時)を指します。
では、寅年がなぜ『壬寅』と書くのか?既にご存じの方も少なくないと思いますが、
ここでおさらいしておきましょう。
なぜ令和4年の干支『寅年』が『壬寅』と書くのか!?
十二支の数え方によれば3番目の『寅』ということになります。
では、『壬寅』と書くのはなぜか?それは、干支と書く2文字に答えがあります。
つまり、干支は『十干(じっかん)』と『十二支』が合わさっているのです。では、十干とは何か、数えてみましょう。
- 甲(コウ・きのえ)
- 乙(オツ・きのと)
- 丙(ヘイ・ひのえ)
- 丁(テイ・ひのと)
- 戊(ボ・つちのえ)
- 己(キ・つちのと)
- 庚(コウ・かのえ)
- 辛(シン・かのと)
- 壬(ジン・みずのえ)
- 癸(キ・みずのと)
いかがですか、1番から3番までは、今でもよく使われる数え方ですが、
現在では十干はなじみが薄くなってきているので使われないことが多いですね。
このように、令和4年(2022年)は十干で数えると9番目の『壬』となり、
十二支で数えると『寅』となる年まわりなので、『壬寅』となるわけです。
次に迎える『寅年』の十干十二支は!?
1番目の干支で十干の『甲』と十二支の『子』が重なった年は昭和59年(1985年)です。
そこから数えて令和4年は39番目の『壬寅』となります。
では、12年後の寅年を数えみると、現時点での年号で令和16年(2034年)が寅年となり、
十干十二支で数えると『甲寅(きのえとら)』となり、60年で一巡するという考えかたです。
ふたたび、1番目の十干十二支『甲子』になるのは何年後なのか、答えは、
令和26年2044年が『甲子』となり、まだまだ22年も先の話です。
干支は『虎』と書かず『寅』と書く理由は
虎は動物のトラでタイガー(Tiger)の事です。そして寅は
干支を生年や方位そして時刻などにあてはめたもので『記号』と理解しておくと
分かりやすいでしょう。
十二支は庶民にわかりやすく動物の名前で教えたため呼ばれていますが、
本来は植物の成長過程を12段階で表したものです。
荒れた地を耕し、種をまき、芽が出て茂り育つ。やがて実がなり収穫する。
このように植物が成長する様を順に表現したものなんですね。
なので、動物の虎ではなく『寅』と書くわけです。
干支と動物を表す漢字を比較
干支の書き方と実際の動物の漢字を比較してみましょう。
- 子(ね) → 鼠(ねずみ)
- 丑(うし) → 牛(うし)
- 寅(とら) → 虎(とら)
- 卯(う) → 兎(うさぎ)
- 辰(たつ) → 龍(たつ)
- 巳(み) → 蛇(へび)
- 午(うま) → 馬(うま)
- 未(ひつじ) → 羊(ひつじ)
- 申(さる) → 猿(さる)
- 酉(とり) → 鶏(にわとり)
- 戌(いぬ) → 犬(いぬ)
- 亥(い) → 猪(いのしし)
ご覧のように、漢字で表すと記号と実際の動物の漢字との違いが分かりますね。
動物を用いて教わった呼び方が今でも伝えられており、現在でも干支を動物として
表現していることは、大切な日本の伝統ではないでしょうか。
寅年の『特徴』とは
現代では、西暦や元号を用いる世の中です。日本の文化として年を表す言葉を
干支として使用されていますが、これから先には使われなくなっていくのかもしれませんね。
でも、干支に由来する物語は、歴史上や身の回りの意外なところに残っていると思いませんか。
少し、寅年にまつわる特徴や物語を調べてみました。
令和4年の寅年の特徴は
そもそも、壬寅にはそれぞれ意味があり、前述しましたとおり、
干支は植物の育つ順を表したもので『壬』は、植物の内部に種子が生まれた状態をいい、
『寅』は動くという意味を持ち、『春には元気よく草木が生える状態』を表しています。
つまり、壬寅は「才能や運気に目覚め、新しい成長が期待できる」そんな意味のある年です。
コロナ禍、第6波が懸念される令和4年ですが、いよいよ動き出す年になる気配を感じます。
寅年生まれの特徴は
好奇心旺盛で自分が興味を持つものにはすぐに手を出し、失敗を恐れずに
すぐにチャレンジする行動力のある性格です。
その反面、興味の無い物にはまったく手を出さない性格でもあります。
寅年の恋愛運は、好きな人が出来るとその人に一途で、寝ても覚めても
好きな人のことで頭がいっぱいになるようです。そして、一途のあまり嫉妬を
感じることもあります。
でも、寅年生まれの方は、束縛することは性に合わず、相手を束縛することはありません。
寅年生まれをまとめてみると
何事にも前向きでチャレンジ旺盛。強い信念と自信をもって
どんなことにも挑んでいく行動力に加え、社交的な性格も備えており、
リーダー的存在になりうる傾向にあります。
注意したいことは、自信家で負けず嫌いな性格から反感を買うこともあるので、
人の意見も聞き入れましょう。
寅(虎)にまつわる『豆知識』
寅年にちなんで『寅・虎』にまつわる豆知識をご紹介します。
人気映画の役名から、ことわざ、そして戦時中の暗号にも使われているんです。
寅(虎)にまつわることわざ10選
- 虎視眈々(こしたんたん)
じっと様子を伺い、隙あればすぐにつけ入る様子。虎が獲物を狙う鋭い眼を『虎視』、
獲物に気付かれずじっとしている様子を『耽々』という意味です。
- 虎の尾を踏む(とらのおをふむ)
「とても危険なことになる」のたとえです。こんな言い方もあります『危うきこと
虎の尾を踏むが如し』。世の中には至るとところに虎が寝そべっています。
くれぐれもしっぽを踏まないようご用心!!
- 虎に翼(とらにつばさ)
虎はもともと強く勢いがあるのに、さらに強さと勢いが加わるというたとえです。
- 虎の威を借る狐(とらのいをかるきつね)
強いものの権威をさかに着て、いばるたとえです。弱い狐でもそのずる賢さで
虎の前に立ち自分が百獣の王だといばる様子。
- 苛性は虎よりも猛し(かせいはとらよりもつよし)
『苛性』とは、重税や弾圧など悪い政治を意味し、家族が虎に食い殺されても、
むごい政治の方が怖いというたとえです。
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)
「貴重な虎の子を得るには、危険な虎の棲む穴に入らなければならない」という言葉を用い、
何事にも成功を収めるためには危険を冒すことも必要というたとえです。
- 虎は死して皮を留め、人は死して名を残す(とらはししてかわをとどめ、ひとはししてなをのこす)
虎は死んでも立派な皮(毛皮)を残すように、「人もまた死んだのち名を残す
立派な人間になるよう心がけよ」というたとえです。
- 騎虎の勢(きこのいきおい)
物事を途中で止めることができないほど勢がつき、むしろ止めると害を受ける
という意味をもつたとえです。
- 前門の寅、後門の狼(ぜんもんのとら、こうもんのおおかみ)
一つの災難を逃れても、またもう一つの災難が襲ってくることのたとえです。
表門から虎、裏門から狼が侵入し挟み撃ちされると、たとえ勇者でも太刀打ちできない
という意味です。
- 虎を野に放つ(とらをのにはなつ)
危険なものを野放しにしているのは、災いのもとであるのたとえです。
『千里の野に虎を放つ』という言い方もあります。
寅(虎)を使ったおなじみの言葉10選
- 寅さん
言わずと知れた、映画『ふうてんの寅さん』シリーズです。主役の渥美清さん演じる
『寅さん』があまりにも有名で、舞台となった葛飾区柴又では寅さん像があります。
- 阪神タイガース
関西の人気野球チームです。応援歌『六甲おろし』が有名ですね。
- タイガーマスク
プロレスラーを題材にしたコミック漫画の主人公です。
- トラトラトラ
真珠湾攻撃という衝撃的な事実から目を背けることは出来ない太平洋戦争の始まり。
「ワレ奇襲ニ成功セリ」と伝える電信の暗号略号です。
その他には、ボーカルグループ『MAX』が歌って大ヒットした歌の題名でもあり、
シブがき隊でも同じ題名で歌われています。
- 白虎隊(びゃっこたい)
戊辰戦争にて会津藩が編成した少年部隊の事で、わずか16歳~17歳の少年隊の事を
白虎隊と言います。最後は集団自決という悲劇の象徴として語り継がれています。
- 虎刈り
髪の毛や草刈りが下手で長い部分や短い部分があり、虎の毛の縞(しま)のように
見えることから使われています。
- 虎の巻
秘伝を記した書物。『あんちょこ』のことで、ネタ本なども含まれます。
- 虎の子
とても大切にしている物や貴重なものを指します。虎は子供をとても大切にすることから
言われています。
- 虎になる
むちゃくちゃ酔っぱらって強気になる様子。手が付けられないほど酔って暴れる
などの時に使います。
- 張り子の虎(はりこのとら)
常に強そうに威勢を張っている人。または、いつも首を振る癖のある人などに使われます。
丑年の記事「令和3年の干支は丑!丑(牛)の由来やことわざをご紹介!」もこちらにアップしています。もし興味のある方はどうぞ!
まとめ
令和4年(2022年)寅年についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
コロナ禍、第6波が懸念されていますが、壬寅は「水となり、その水が木を大きく成長させる」
そんな年でもあります。
寅年は、新しい成長が生まれ、虎のように強くたくましく動き出す、
そんな令和4年になる気配を感じます。